チルドノート

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煙草を吸う理由

煙草を吸い始めてかれこれ20年になるよ。長年の喫煙は、着々と体内に蓄積して、僕の身体を内側から蝕んでいるに違いない。

煙草を吸わない君からすれば、喫煙者はさぞ愚かに映ると思う。わざわざお金を払って健康を害しているのだから…。そして君は、喫煙者をニコチン依存症だ、とも思っている。たしかに科学的にはそうかも知れない。

だけど僕は、ときどき、生きているのがどうしようもなく辛くなるんだよ。理想と現実の隔たりに絶望して、いっそのこと全てが終わってしまえと願うことすらある。

そんなとき僕は煙草を吸う。

つまり、僕にとっての喫煙は、痛みを伴わない自傷行為なんだよ。現在の失望を時間で癒やしたい。生命という時計の針を、ちょっと進めて、この瞬間をやり過ごしたい。

バカな真似だってのは、重々承知している。

でも、それが僕に見えている世界なんだ。